これまでに、飲食店バイトの「キッチン編」についてご紹介しましたが、ホールスタッフにも特有の経験やエピソードがたくさんあります。今回は、ホールで働く際に起こりがちな4つのシーンを、詳細に掘り下げてお伝えします。
他のお店で「いらっしゃいませ」や「ありがとうございました」につい反応してしまう
飲食店でホールスタッフとして働いていると、自分がプライベートで外食している時に、店員さんの「いらっしゃいませ」や「ありがとうございました」といった言葉に反応してしまうことが多々あります。普段の業務で身についている挨拶なので、無意識のうちに自分も同じ言葉を口に出しそうになったり、体が反応してしまうのです。特に同じ業界の他店に行くと、つい職業病のように反応してしまうことがあり、少し気恥ずかしい思いをすることもあります。しかし、この反射的な反応は、ホールスタッフとして自然に身についたスキルの一部といえるでしょう。
忙しい時と暇な時の落差に驚く
ホールで働いていると、時間帯や日によって忙しさの波が非常に大きいことに気づきます。特に週末や祝祭日、クリスマスや年末年始などの繁忙期には、次から次へとお客様が押し寄せ、トイレに行く時間さえも惜しいほど忙しくなります。一方で、平日の昼下がりや夕方などは店内が静まり返り、暇を持て余すこともあります。このような忙しさのギャップに対応するためには、暇な時間を有効に使って店内の清掃や備品の補充、次に来るピークに備えた準備などを行うことが求められます。忙しい時には迅速な対応が必要ですが、暇な時にはその分、落ち着いて効率的に仕事を進めることがポイントです。
ホールにいるととにかくお腹がすく
ホールスタッフとして働いていると、常にお腹がすいてしまうのはよくあることです。お客様のオーダーした料理を運んだり、片付けたりしているうちに、見た目や香りに刺激されて空腹感がどんどん増していきます。特に、ランチタイムやディナータイムのピーク時には、自分もお腹がすいているのに、ひたすら料理を運ぶだけという状況に直面することがしばしばです。お腹がすいて集中力が落ちてしまうのを防ぐため、私自身はシフトに入る前に軽く何かを食べてから仕事に臨むようにしていました。これにより、長時間の勤務でも空腹によるストレスを減らし、仕事に集中することができます。
常連のお客様に独自のあだ名をつける
ホールスタッフが働く中で、常連のお客様には自然とあだ名がつけられることがあります。たとえば、いつも同じメニューを頼むお客様や、独特のファッションをしている方など、特徴的な要素を持つお客様には、それを反映したあだ名がつけられるのです。このあだ名は、スタッフ同士でそのお客様の好みや注意点を迅速に共有するための便利なツールとなります。例えば、「いつものセットのおじさん」や「赤いコートの女性」といった具合に、あだ名を使って情報を共有することで、サービスの質を向上させることができます。ただし、このようなあだ名は、あくまで内部でのコミュニケーションに留め、決してお客様本人に知られないように気をつける必要があります。こうしたあだ名の存在は、スタッフの間での親しみやすさを生むと同時に、仕事の効率も高める役割を果たします。
まとめ
これらの事例は、飲食店のホールで働く際に経験することが多いシーンですが、それぞれに工夫や対応策を持つことで、仕事をよりスムーズに進めることができます。ホールスタッフとしての経験は、日々の業務を通じてさまざまなスキルを身につける機会でもあり、楽しみながら働くための秘訣が詰まっています。